28日後

 去年、ロンドンに行った時に向こうではDVDが発売されていて、いたるところで大きな看板になっていた。日本で公開されたら見に行こうと思っていたら、いつの間にかDVDになっていた作品。

 こういうホラー系の映画はお化け屋敷的な怖がらせ方に終始しがちだが、この映画はそうではない。主人公が病院のベッドで目覚めると、誰もいない。病院を出て、ロンドンの街を歩いても誰もいない。この状況がすごく恐怖を感じる。つまり、おとぎ話ではないリアルな恐怖。歩いたことのある街に誰もいない状況。マッドマックスのような近未来ではない。この今のロンドンで誰もいないのだ。とても怖い。航空網が発達した現代ではウイルス感染はあっという間に世界中に蔓延してしまうのだ。SARSがいい例である。そういう状況を描いたこの映画はすばらしい。日本ではまったく話題にならなかったのが不思議なくらいだ。

 DVDのエンディングは劇場公開バージョンと違うということで特典として劇場版が入っていた。劇場版のエンディングは救いがなさすぎる……(T-T)