バンテージ・ポイント

 去年、予告を見つけてから見たいと思ってた作品。予想以上の早さで日本公開は嬉しい誤算。羅生門スタイルといわれる一つの事件を登場人物それぞれの視点から描くという手法を取り入れている。視点が変わるたびに、新たな事実がわかってくるという面白さ。2時間無い映画の中、実際に描かれているのは30分ぐらいだろうか?短い時間の出来事がグッと凝縮されているのであっという間に終わった感じがあった。終わった直後はあぁ、面白かったなぁと思ったが、振り返ってみると色々粗が目立った。同じ事件を複数の人物を描くことがこの映画のポイントなんだけど、その割にはそれぞれの登場人物像が希薄。テロリスト側の主張も見えないし、"POTUS"を連れ出してどうするつもりだったのだろう?リスクがでかすぎるだろう。テロの計画自体は周到だし、よくやってるけど、その後へ繋がってない気がする。登場人物の希薄さを物語ってるのが、スペイン人警官と一般人のフォレスト・ウィティカーの存在。特にウィティカーは後半いらないと思う。そして、ラスト…… あれはいくらなんでも都合良すぎやしないかい…… そんな感じ。カーチェイスは迫力あったし、デニス・クエイドはあいかわらずいいおっさん。映画館で見ても損は無いと思いやす。